えびの涼風園
えびのの田園風景にひろがる水平に延びる木造平屋の特別養護老人ホーム。
全国の特養をみてまわると人を閉じ込めるような病院のような施設が多いことに気付く。ここは病院ではなく、人が住む場所である。手摺や機械的な設備を最小限にし、もしくは見えないよう配慮し、天然木を多用するなど人が居心地の良さを感じる工夫を施している。また園内は自由にうごきまわれ、入所者同士のコミュニケーション、地元の人や近所の保育園の子たちや訪問者などとコミュニケーションをとりやすいプランニングとなっている。大きなホールでは園児が劇をしてお年寄りは元気をもらう。大規模木造建築の先駆けである本建築は宮崎特産の杉を多くつかうことで地域の林業をまもり、サプライチェーンを最小にしている。時間と共に風化して、風景にいっそうなじんできている。
宮崎県 |
敷地約1万㎡ 延床約4500㎡ |
特別養護老人ホーム |
2012 年 |
グッドデザイン賞ベスト100 |
建築学会賞(最終選考) |